ケンジロニウスの再生

ロック史を追いながら関連図を作成(関連図挫折中)

US Rock

映画『ブライアン・ウィルソン〜約束の旅路〜』を観て

このブログを始めたころは週一回のペースで更新していたんだけど、もうほんとにまるっきり文章を書けてなくて、まだまだ書きたいものがあったはずなんだけどな…飽き性なんです。 それでも何か書くなくちゃ、このブログをこのまま放置してちゃいけない、とい…

映画『エコー・イン・ザ・キャニオン』を観て

先週観に行った映画『ローレルキャニオン〜夢のウエストコーストロック〜』に引き続き、同じくローレルキャニオンをテーマにしたドキュメンタリー映画『エコー・イン・ザ・キャニオン』を観てきました! 先週『ローレルキャニオン〜夢のウエストコーストロッ…

映画『ローレルキャニオン〜夢のウエストコーストロック〜』を観て

ウエストコーストロックリバイバル運動の匂い 『ZAPPA』、『リンダ・ロンシュタット〜サウンド・オブ・マイヴォイス』、『ローレルキャニオン〜夢のウエストコーストロック』、『エコー・イン・ザ・キャニオン』。この2022年の4,5月にどういうわけかウエスト…

6-17 バーバンク・サウンド②〜アメリカンルーツのさらなる追求〜(第102話)

6-17 バーバンク・サウンド②〜アメリカンルーツのさらなる追求〜 バーバンク・サウンド、前回は66年にワーナーブラザーズのA&Rとして入社したレニー・ワロンカーの初仕事について書きました。 kenjironius.hatenablog.com オータム・レコードを買収したこと…

6-16 バーバンク・サウンド①〜オータム・レコード所属バンドの再プロデュース〜(第101話)

バーバンクサウンドとは ソフトロックとアメリカの伝統的なポピュラーミュージックとの関係性について。今回はそのテーマの要ともいえる《バーバンク・サウンド》を。そもそもバーバンクサウンドとは一体どんな音楽を指すのか、根本的なところから書き進めて…

6-15 アメリカにおける《バロックポップ》の範囲(第100話)

ロック史シリーズ再開(図はひとまず断念) R&R以前、1920〜50年代のアメリカポピュラー音楽《グレート・アメリカン・ソングブック(アメリカン・スタンダード)》とソフトロックの関係を書こうと思い、手始めにニルソンについて書き始めたのが今年の3月。図…

6-14 うわさの男、ハリー・ニルソン④(第99話)

ニルソンを4回にも渡って書くつもりはなかったのですが、要約する能力が足りず気付けば。元々は《グレート・アメリカン・ソングブック》とソフトロックの関係に迫ろう、という導入だったはず。 《グレート・アメリカン・ソングブック》に特に接近した《バー…

6-13 うわさの男、ハリー・ニルソン③(第98話)

引き続きニルソン。 ・前回までのニルソン 前回は70年5th「ランディ・ニューマンを歌う」まで書きました。 67年2nd「パンデモニウム・シャドウ・ショウ」はジョンレノン、ポールマッカートニー両名が絶賛、68年3rd「空中バレー」は最高傑作と言える出来であ…

6-12 うわさの男、ハリー・ニルソン②(第97話)

前回に引き続きニルソンを。 ところでニルソンの名義問題だが、最大のヒット曲〝Without You〟及び収録アルバム「Nilsson Schmilsson」が【ニルソン】名義であったこともあり一般的にはファーストネームなしの【ニルソン】で浸透しており、【ハリー・ニルソ…

6-11 うわさの男、ハリー・ニルソン①(第96話)

1960年代に誕生したアメリカンロックにおける《グレート・アメリカン・ソングブック(1920年〜50年代のアメリカ流行歌やジャズ・スタンダード)》の影響は如何に。 文化というのは常々メインカルチャーとサブカルチャーのシーソーゲームだ。20世紀前半の古き…

6-10 グレート・アメリカン・ソングブック(第95話)

『ブリティッシュロックとアメリカンロックどっちが好き?』 このテーマだけでロック好きなら朝まで酒を飲めるだろう。繊細だからイギリスとか、男らしいからアメリカとか、ブリティッシュフォークやプログレが好きだからイギリスとか、ソフトロックやルーツ…

映画『ザ・バンド〜かつて僕らは兄弟だった〜』を観て

行ってまいりました!先日公開されたザ・バンドのドキュメンタリー映画、『ONCE WERE BROTHERS〜ROBBIE ROBERTSON with THE BAND』、邦題が『ザ・バンド〜かつて僕らは兄弟だった〜』。 タイトルにROBBIE ROBERTSON with THE BANDとあるようにザ・バンドのド…

6-8 続・東のソフトロック(第71話)

6-8 続・東のソフトロック(第71話) 「ソフトロックは西海岸!」というマイ定義を捨て去り前回はニューヨークのアンダース&ポンシアのプロジェクトInnocenceとTradewindsについて書きました。 今回はその続きで東のソフトロックをいくつか! The Free Desig…

6-7 東のソフトロック(第70話)

僕はまだソフトロックの定義について考えている ブルースの匂いがしないこと ギターロックではないこと ウィスパーボイス多し コーラスワーク強し ライブを想定しない緻密なスタジオワーク 主に西海岸カリフォルニア 60年代後半〜70年代前半 ドトールで流れ…

1-6 The Lovin'Spoonful〜グッド・タイム・ミュージック(第67話)

なんとなしにジョン・セバスチャンの70年ソロ1st「John B. Sebastian」を聴いてて。 John B Sebastian [12 inch Analog] アーティスト:John Sebastian Exhibit Records Amazon 正直ジョン・セバスチャン及びLovin'Spoonfulって何か掴みどころがないというか…

9-6 The Deep/Freak Scene〜3大ファーストサイケデリック〜(第57話)

『【サイケデリック】という言葉をアルバムタイトルに使った最初のアルバム』という文句で紹介されるアルバムは矛盾しているが3枚あり、66年10月〜11月にリリースされたその3枚のアルバムを《3大ファーストサイケデリック》と名付けさせてもらった(もっとい…

9-5 Blues Magoos〜3大ファーストサイケデリック〜(第56話)

9-1にてテキサスのトゥクトゥクサイケ13th Floor Elevatorsについて書いた際に彼らの66年1stアルバム「The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators」が【サイケデリック】という言葉をアルバムタイトルに使った最初のアルバムである、という話に触…

9-4 Gandalf〜リヴァーブの魔術師〜(第55話)

〜魔術師という異名〜 〝魔術師〟という異名は魔法を使ってるとしか考えられないほど鮮やかなプレーや高度な技術を持った人物を表す意味で様々なジャンルにおいてよく使われる。 【笑顔の魔術師】と呼ばれたロナウジーニョを筆頭に人並み外れたスキルを持つ…

9-3 Vanilla Fugde〜偉大なるサイケアレンジ〜(第54話)

60年代末のサイケブームが終わると、70年代前半には《ハードロック》や《プログレッシブロック》が次なるトレンドとなる。初期のハードロックの代表的なバンドがディープパープル、ブラックサバス、レッドツェッペリンなどで、プログレ勢がピンクフロイド、…

9-2 デトロイトの暴力ヘヴィサイケ!(第53話)

次はミシガン州デトロイトへ! カウンターカルチャーの発生からヒッピーブームが巻き起こり、サイケデリック旋風が吹き荒れた60年代後半のロック界。ベトナム戦争、公民権運動を背景にヒッピーは反体制的なスタンスをとっていたが、その姿勢はどちらかという…

9-1 イカれたテキサス・サイケ〜The 13th Floor ElevatorsとThe Red Crayola〜(第52話)

USサイケは7章8章でサンフランシスコからロサンゼルスと進んできたが、9章では「その他のUSサイケ」と大きく括って進めていきます。 USサイケの最重要バンドの一つと考えられているThe 13th Floor Elevatorsは避けれないなぁ、ってことでまずはテキサスサイ…

7-6 The Travel Agency〜旅行代理店〜(第51話)

あけましておめでとうございますー 去年3月にブログを始めて、 1章CSN&Y関連 2章The Foolがジャケット手掛けた関連 3章プログレ 4章UKサイケ 5章UKフォーク 6章ソフトロック 7章シスコサイケ 8章LAサイケ まで書いたところで去年を終えまして、2020年はNYサ…

8-6 The United States of America〜最古の電子ロック〜

アートロック ロックは元々エンターテイメント性やアイドル性を持った非芸術的スタンスで60年代頭に誕生した。しかし60年代半ばになると『芸術志向』へ向かうミュージシャンが増え始め、それらは《アートロック》と呼ばれることとなる。 《アートロック》と…

8-5 Love〜黒き愛〜

義務教育 義務教育で習うような日本史、世界史というのはより初歩的なものであるが、歴史において《初歩的》であるということは歴史上とりわけ《重要》とされる事件や人物をピックアップしたものであると言えるだろう。義務教育で学ぶものなのだから人である…

8-4 The West Coast Pop Art Experimental Band〜西海岸大衆芸術実験楽団〜

Strawber Alarm Clockと並べてLAサイケ代表だと思ってるのがThe West Coast Pop Art Experimental Band(WCPAEB)である。これが一般的な意見であるかどうかは実は自信がなくて、恐らくは2バンドともバンド名が長いことから何となく僕の中でセットになってし…

8-3 イチゴ時計関連

8章はLAサイケ。前回はまず、その代表格といえるStrawberry Alarm Clockについて書きました。 ストロベリーアラームクロックの素晴らしさは幾らか伝わったと思うんだけど、その繋がりについては書けてなかったのでその辺りを。 8-3 イチゴ時計関連 リードギ…

8-2 Strawberry Alarm Clock〜嵐の青春〜

LAソフトサイケ 6章で《ソフトロック/サンシャインポップ》に触れ、僕はロサンゼルスがその中心地であるとして書いた。60年代末、同時期にサンフランシスコを中心に盛り上がりを見せるヒッピームーヴメントやサイケデリックブームとは一線を引いたロサンゼル…

8-1 LAサイケ突入!

州は国だ!! さて、サンフランシスコを後にしてロサンゼルス、LAサイケへ。 サンフランシスコとロサンゼルスには約600キロの距離があり、これは大阪〜東京以上の距離で、ましてやインターネットの無い時代…やはりそれぞれの都市で文化や音楽的特徴も異なり…

7-5 続・シスコサイケまとめ〜真のサイケデリック〜

7-5 続・シスコサイケまとめ〜真のサイケデリック〜 前回の続きでシスコサイケのバンドを。 Country Joe&The Fish カントリー・ジョー・マクドナルド率いるカントリー・ジョー&ザ・フィッシュもシスコサイケの代表的なバンドだ。アコギを弾きながらフォーク…

7-4 シスコサイケまとめ〜真のサイケデリック〜

7-4 シスコサイケまとめ〜真のサイケデリック〜 《ブリティッシュインヴェイジョン》の影響下でサンフランシスコのフォーキー達はエレキギターを手にしてバンド結成を思い立つわけなんだけど、その影響というのはあくまで「エレキギター」と「バンド形態」と…

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