ケンジロニウスの再生

ロック史を追いながら関連図を作成(関連図挫折中)

6-13 うわさの男、ハリー・ニルソン③(第98話)

引き続きニルソン。 ・前回までのニルソン 前回は70年5th「ランディ・ニューマンを歌う」まで書きました。 67年2nd「パンデモニウム・シャドウ・ショウ」はジョンレノン、ポールマッカートニー両名が絶賛、68年3rd「空中バレー」は最高傑作と言える出来であ…

6-12 うわさの男、ハリー・ニルソン②(第97話)

前回に引き続きニルソンを。 ところでニルソンの名義問題だが、最大のヒット曲〝Without You〟及び収録アルバム「Nilsson Schmilsson」が【ニルソン】名義であったこともあり一般的にはファーストネームなしの【ニルソン】で浸透しており、【ハリー・ニルソ…

6-11 うわさの男、ハリー・ニルソン①(第96話)

1960年代に誕生したアメリカンロックにおける《グレート・アメリカン・ソングブック(1920年〜50年代のアメリカ流行歌やジャズ・スタンダード)》の影響は如何に。 文化というのは常々メインカルチャーとサブカルチャーのシーソーゲームだ。20世紀前半の古き…

6-10 グレート・アメリカン・ソングブック(第95話)

『ブリティッシュロックとアメリカンロックどっちが好き?』 このテーマだけでロック好きなら朝まで酒を飲めるだろう。繊細だからイギリスとか、男らしいからアメリカとか、ブリティッシュフォークやプログレが好きだからイギリスとか、ソフトロックやルーツ…

11-5 We All TogetherとTelegraph Avenue〜ペルーロック伝説〜(第94話)

前回、前々回とペルーのロックについて書きました。 ↓↓ ↓↓ 前回は《ペルー2大サイケ》Traffic SoundとLaghoniaについて触れた。反米スタンスの軍事独裁政権下のペルーで60年代末から70年代頭にかけてこの2バンドがMaGレコードから英詞のサイケ/プログレロッ…

11-4 Traffic SoundとLaghonia〜ペルー2大サイケ〜(第93話)

ペルーのロック。続きです。 前回↓↓ 11-4 Traffic SoundとLaghonia〜ペルー2大サイケ〜(第93話) 60年代末、アメリカで盛り上がったカウンターカルチャー及びヒッピームーヴメントは世界中に影響を与え各地にサイケデリックバンドを誕生させた。各地方の音…

11-3 ペルーのロック(第92話)

前回に引き続き《英米外のロック》。 何度も言うようにロックの原産国はイギリスとアメリカ。なので好きなロックアルバムを挙げろと言われるとどうしたって英米のものに偏ってしまう。英米以外で好きなのは?と問われるとひとまず挙がるのはニール・ヤングや…

11-2 ウォレス・コレクション〜ベルギーのロック〜(第91話)

2014年2月9日、大雪の東京。 前回は元祖チェンバーロックと言われるサードイヤーバンドについて書き、その中で「7,8年ほど前に従姉妹の結婚式で東京へ行った際にお茶の水のディスクユニオンで70年2ndを買った」とサードイヤーバンドとの出会いに触れた。この…

3-11 Third Ear Band〜第3の耳楽団〜(第90話)

前回はマーク・フライについて書きました。 ⬇︎⬇︎ マーク・フライ復活後の2011年3rd「I Lived in Trees」はThe A.Loadsというユニットとのコラボレーションで作られたが、そのThe A.Loadsのニコラス・パーマー(Directorsound)とマイケル・タナーによる室内…

4-13 Mark Fry〜不思議の国のマーク・フライ〜(第89話)

Googleの(スマホの?)学習機能ってのは怖い。とにかく機械音痴であるのでよくわかってないが、検索履歴やGoogleアカウントで紐付けているサイトやアプリ(例えばAmazon)の履歴から欲している情報や商品を予測して広告提供してくる。僕の場合はとにかく普…

2020年の終わり・2021年の始まり

あけましておめでとうございます。 2020年が終わり、2021年がぬるりと始まりました。このブログは『ロック図を作成すること』を目的として2019年3月から始め、今1年と10ヶ月が経ったところとなります。当初予定していた『ロック全体図』に挫折し『ジャンル別…

4-12 Skip Bifferty〜スキップ・ビファティ〜(第88話)

前回はアラン・ハルについて書きました。 ⬇︎ ⬇︎ ブリティッシュフォークロックバンドLindisfarne(リンディスファーン)のリーダーであり名ソングライターであるアラン・ハルはリンディスファーン結成前の60年代半ばにThe Chosen Fewというバンドを組んでお…

5-13 Alan Hull〜アラン・ハル〜(第87話)

5章《ブリティッシュフォークロック》、前回はリンディスファーンについて書きました。 ⬇︎⬇︎ 非トラッド系フォークロックではあるがニューカッスル・アポン・タインにて結成されたリンディスファーンには北東イングランドの独特の空気感が含まれており、その…

5-12 Lindisfarne〜イングランド北東のホリー・アイランド〜(第86話)

ブリティッシュフォークは底なし沼。 その意味を強く実感しております。リンディスファーンとアラン・ハルについて軽く書こうと思い、少し調べてみる。すると気がつけば中世初期アングロサクソン七王国の1つノーサンブリア王国について夢中で調べてしまって…

11-1 カナダの偉人達(第85話)

基本的には僕の知るロックは英米がほとんどで、それ以外のヨーロッパ諸国や南米、アジア(日本のロックを除く)等のロックには詳しくない。 それでも少しは愛聴しているものはあって、11章では英米外のロックについても触れてみようかと。 ロックの輸入度合…

映画『ザ・バンド〜かつて僕らは兄弟だった〜』を観て

行ってまいりました!先日公開されたザ・バンドのドキュメンタリー映画、『ONCE WERE BROTHERS〜ROBBIE ROBERTSON with THE BAND』、邦題が『ザ・バンド〜かつて僕らは兄弟だった〜』。 タイトルにROBBIE ROBERTSON with THE BANDとあるようにザ・バンドのド…

9-7 The Art Of Lovin'〜ボスタウン・サウンド〜(第84話)

アメリカという国は広大であるので州が違えば国が違うくらいの感覚で各地のロックを受け止めるべきだ。そう思ってからブリティッシュロック贔屓な僕も「アメリカンロック苦手なんだよね」とは軽々しく言わなくなった。 そんなわけでこのブログでは割と州や都…

5-11 続!Strawbs(ストローブス)〜ついに我が脳に着地〜(第83話)

5-11 続!Strawbs(ストローブス)〜ついに我が脳に着地〜(第83話) ストローブス。前回の続きから。 ↓前回↓ kenjironius.hatenablog.com デイヴ・カズンズとトニー・フーパーの美しきハーモニー、トニー・ヴィスコンティによる秀逸なアレンジで中世音楽、ト…

5-10 Strawbs(ストローブス)〜ついに我が脳に着地〜(第82話)

〝言葉〟を与えるということ 「人は知らない言葉や聞き馴染みのない言葉は聞き取ることができない」、それとは逆によく知る言葉なら多少聞こえづらくとも理解することができる、そういう人間の耳と脳の性質になんか名前があった気がするんだけどなんだっけな…

5-9 ブリティッシュフォーク図、再編!(第81話)

夏が終わり涼しくなってきましたね。秋はブリティッシュフォーク、黄金に輝く落ち葉のような風景が浮かぶ黄昏の音楽。 ブリティッシュフォークはフェアポート関連にペンタングル関連、tuder lodge,mellow candle,spyrogyraの三種の神器、その他いくつかざっ…

正しい歴史とは何処に〜〝Hey Joe〟問題〜

ちょと雑記をば。 ディスクユニオン大阪店に行ってきた! 2015年、5年前に大阪に「ディスクユニオン」がやってきた。関東、主に東京の中古レコード/CDチェーンであるディスクユニオンがついに大阪に進出してきてくれたのだ。 神戸にも「りずむぼっくす」とい…

3-10 Kestrel(ケストレル)〜プログレの落とし胤〜(第80話)

ケストレル(紙ジャケット仕様) アーティスト:ケストレル ビクターエンタテインメント Amazon ロック史の分岐点 フォークロックの始まりを告げた65年ボブ・ディラン「Bringing It All Back Home」及びThe Byrds「Mr. Tambourine Man」、ロックに芸術性を吹…

10-11 祝50周年!!「世界を売った男」とThe Hype(第79話)

デヴィッド・ボウイ図製作の続きです。2か月くらい空いてしまいましたが前回はボウイの永遠のライバルマーク・ボランがリードギターで参加した70年のシングル〝The Prettiest Star〟まで書きました。 ↓前回↓ 69年にシングル〝Space Oddity〟がようやくヒット…

完!『George Harrison: Living in the Material World』を観て

こんな3回にもわたって書くつもりじゃなかったんだけど、TSUTAYAで軽い気持ちで借りただけだったんだけど、少し離れていたビートルズ熱が再熱してしまったようで。 ↓前々回↓ ↓前回↓ 前々回はジョージ・ハリスンの作曲家としての目覚めと鋭い感性について、 …

続!『George Harrison: Living in the Material World』を観て

ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド Blu-ray ジョージ・ハリスン Amazon 2011年公開のジョージ・ハリスンのドキュメンタリー映画『George Harrison: Living in the Material World』を観た感想(ってかまだ今3周目観てる)、前…

『George Harrison: Living in the Material World』を観て

ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド Blu-ray ジョージ・ハリスン Amazon TSUTAYAプレミアム 最近友人の引っ越しを手伝い32型のテレビを貰った。元々持っていたのが15インチとかなので2倍以上のデカさ、テンションはうなぎのぼ…

3-9 Affinity〜キーフとヴァーティゴ〜(第78話)

ジャズロック 《プログレッシブロック》は60年代後半の《サイケデリックロック》で試みたロックへの多様なアプローチを更に広範囲に広げて複雑化し表現の幅を広げた非常に多角的なジャンルであることは前にも書いた。 そのアプローチの一つにジャズがある。 …

4-11 Tyrannosaurus Rex〜アシッドな暴竜〜(第77話)

〜最新のティラノザウルス?〜 最近チラッとネットで見かけた話では恐竜には羽毛があって鳥のような姿をしていたという説が今濃厚であるようだ。 僕は恐竜について全く無知である。興味がないわけではないが特別調べたりするほどではない。もちろん化石が展…

ハーディ・ガーディ製作記④ Day6〜まさかの完成〜

UGEARSのハーディ・ガーディ組み立て、ここまで5日間累計約4時間30分作業してボディとネック、ヘッドがなんとなく完成しました。 ほぼ形になってきたがまだ説明書は半分ほど残している。なるほど細かい作業が多く残ってそうだ。前回Day5でヘッド部内部パーツ…

4-10 Simon Finn(サイモン・フィン)〜もう1人の狂人〜(第76話)

アシッド・フォーク 【Acid】は【酸】の意であるがLSDの隠語でもあり、《アシッド・フォーク》とはLSD影響下のフォーク(スタイル)ミュージックである。【psychedelic】はLSD体験のことを表すので、《アシッドフォーク》と《サイケデリックフォーク》はほぼ…

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