ケンジロニウスの再生

ロック史を追いながら関連図を作成(関連図挫折中)

Wouldn't You Miss Me/Wish You Were Here(僕がいなくてさみしくないの?/あなたがここにいてほしい)

しばらくぶりです。

ニルソンの続きでバーバンク周辺を書こうとか、忘れてたHoneybus関連とか、バブルガム・ポップとか、書きたいものはたくさん頭にあるんだけど、なかなか更新できずにいました。

このブログのテーマである「図」の方がどうにも整理がつかなくなり、使っていた有料「図アプリ」をひとまず解約してからモチベーションが下がってしまった、というのが正直なところ(なんとまぁ目標としていた100話を目前に)。

今その辺のことをクリアにするべく奮闘しているので、また整ったら再開したい次第でございます。

 

しかししばらく時間はかかりそうなので、ロック図作成とは関係ない雑記でもちらほら書こうかと。

このブログは主に60年代〜70年代半ばまでのロック黄金時代の関連図を作成すること主旨としてきました。ただハードロックやブルース要素の強いロックなんかは個人的に苦手なので避けてきた、というか書けるほどの知識がないので書けませんでした。のでその辺のこととか、80's以降のこととかを雑記として書いていこうかなーなんて思っています。

苦手と言えどもハードロックも青春時代にいくらか聴いてはきたし、80’s以降、特に90'sなんかは結構夢中になったりした時期があったわけで、その辺のことも自分の中で整理したいなーという想いが湧いてきた次第です。文字に起こすことは〝自己整理〟になる、とつくづく思います。「世にもっとロックが広まってほしい」という想いは3%くらいは持っていますが、基本的には〝自己整理〟のためにこのブログを書いているところがあって。

そんなわけでまずはハードロック辺りから整理していこうかなーと思うんだけど、今回はまたちょっと別の雑記を。

Wouldn't You Miss Me/Wish You Were Here(僕がいなくてさみしくないの?/あなたがここにいてほしい)

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Syd Barrett〝Wouldn't You Miss Me(Dark Globe)〟Pink Floyd〝Wish You Were Here〟に以前から呼応するものを感じていて、どうにか繋げれないかなーなんて野暮なことを考えつつ過ごしてきた日々。そしてなんとなく頭の中でアレンジが固まったので、先日iPhoneガレージバンドで録り、歌詞と和訳を付けてYouTubeで公開してみました。

英語の発音や和訳、歌に演奏にお粗末なものですが「フロイド好きに刺され!」という一心でマッシュアップしてみました。

一時期マッシュアップが面白くて、YouTubeで色んなマッシュアップを聴くのにハマってたんだけど、それらに比べると今回僕がやったのがマッシュアップと呼べるかは不安…。調べてみるとMushUpってのは「ある曲の伴奏トラックと別の曲のボーカルトラックを組み合わせてる手法」のよう。なので僕がやったのはマッシュアップではなくて正しくは「アレンジ&メドレー」といったところか。

これとは別に最近シド・バレットの弾き語り曲のバンドアレンジバージョンを録音しようと模索していて。シドについてはこのブログでも触れたが、一般的には狂人としてのイメージが先行しているところがある。でも彼の最も優れているところは非凡なポップセンスと独特なコードワークだと僕は思っていて。ピンクフロイド時代のサイケポップの素晴らしさは言うまでもないが、ソロ2作でもその才能は十分に発揮されている。ソロ2作は麻薬中毒によるギリギリの状態でのレコーディング内容から狂気じみたアシッドフォークとして評価されるが、曲自体は彼の憧れたボブ・ディランに引けを取らない名フォークソングの数々だと僕は思っている。

シド・バレットのカバーとなるとみんなその〝狂気〟や〝へろへろさ〟を排除することはできないようで、パールジャムサウンドガーデンといった90'sオルタナ勢がライブでカバーしてるのを聴いてもやっぱり狂気じみたエレキギター弾き語りカバーになっている。そこで僕はディランやティム・ハーディンやフレッド・ニールのフォークソングの数々がバンドによってカバーされたように、純粋に曲と歌の良さ、曲そのものの強さを強調したバンドアレンジをシドの弾き語り曲に施そうと模索しているわけだ。1stではジェリー・シャーリーやソフト・マシーン、2ndではデヴィッド・ギルモアリチャード・ライトの力を借りてバンドアレンジがなされているが、シドの狂人としての性質を際立たせている1stの弾き語り曲に焦点を当てて。

シドの曲の中でも最も美しいフォークソングである70年1st『帽子は笑う、不気味に』収録〝Feel〟のフォークロックアレンジを今色々試している最中だが、今回の〝Wouldn't You Miss Me〟のバンドアレンジもその一環。

Wouldn't You Miss Me

Madcap Laughs

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〝Wouldn't You Miss Me(僕がいなくてさみしくないの)〟は『帽子は笑う、不気味に』では〝Dark Globe(暗黒の世界)〟として収録された哀しきフォークソング。元々は〝Wouldn't You Miss Me〟というタイトルだったようで後にリリースされたデモ集やベスト盤ではその表記になっている。

ギルモアが目に涙を溜めながらこの曲を弾き語ってる2006年のライブ映像があって、それがまた感動ものなのよね。

原曲は独特な符割のギターストロークで弾き語られるが(わざとなのか拍が解らなくなっているのかは不明)、基本は3/4拍子。これを4/4にしてキーはそのままにストリングスをフィーチャーしたバンドアレンジにしてみました。

シドが別れた恋人へ「僕がいなくて寂しくないの?」と歌った女々しき失恋フォークだが歌詞がなかなか難解で理解できないところがしばしば。《My head kissed the ground(僕の頭は地面にキスをした)》というフレーズの打ちひしがれ感が秀逸で好き(ただ懇願している表現にも取れるが)。

失恋ソングだけど、自分を失っても歩みを止めなかったピンクフロイドに対しての歌とも取れることから〝Wish You Were Here〟と混ぜ合わせてみたわけだ。

Wish You Were Here

Wish You Were Here

Wish You Were Here

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73年『狂気』で天下を取ったピンクフロイドは少しの休息を挟み、75年に『Wish You Were Here(炎・あなたがここにいてほしい)』をリリース、かつてのメンバーであるシドに捧げたとして有名なアルバムである。そのタイトル曲を〝Wouldn't You Miss Me〟と合体させてみた。

シドに捧げた、と言われているが主にその要素が強いのはアルバムのリードトラックであり前編後編合わせて30分を超える〝Shine On You Crazy Diamond〟である。この曲の《誰かを呼ぶような》なギターのアルペジオをイントロでこっそり拝借。

〝Wish You Were Here〟もシドに捧げた曲と捉えることができる歌詞の内容だけど、実際にはもっと普遍的な《喪失感》や《寂しさ》を歌ったものだとロジャー・ウォーターズは語っている。

この《喪失感》と《寂しさ》という点で〝Wouldn't You Miss Me〟〝Wish You Were Here〟はリンクしており、ピンクフロイドとシドのストーリーを強調するマッシュアップというより、普遍的な悲しみを混ぜ合わせたつもりでござんす。

 

ま、本当に野暮すぎる混ぜ合わせなんですが、聴いてもらえたら嬉しいです!

ピンクフロイドとシドバレットへの想いは過去に書いたので、それも読んでもらえたら!

そんな感じで本編から逸れた雑記が続くかと思いますが、またぼちぼち書いていきます!

では!

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