全然ブログ更新できてませんでした。ランディ・ニューマンについて書こうとして、止まってしまっていました。実は前にもランディニューマンで止まったことがあって、正直書きたいけど理解できてないから言葉が出てこない節があったり。バーバンクサウンドや彼のルーツである20世紀頭のアメリカ音楽、グレートアメリカンソングブックなんかを絡めて輪郭を定めようとしていたが未だにハッキリしないのよね。彼の音楽、めちゃくちゃ好きなんだけど言葉にするのが難しすぎる。まぁ、ぼちぼち書いていきます。
それで、ここ1,2ヶ月何をしていたかというとひたすらタイダイ染めをしていました。6,7年前くらいに一時期ハマって染めていたんだけど、この春に急にタイダイ熱が再燃して夏に向けて染め始めた次第です。そしたら以前は知らなかった様々な技法を知り、試してる内に楽しくなって毎日毎日タイダイのことばかり考える生活になってしまって。YouTubeで海外の染め師の動画を見て研究し、手芸屋に通い詰めて、染めては洗い染めては洗い。
Tie-Dye(タイダイ)とは
Tie-Dye(タイダイ)とは【Tie(絞る)】【Dye(染める)】という意味で、つまりは「絞り染め」のこと。歴史的には世界各地、主に東洋で古くは6世紀ごろからある技法で日本でも奈良時代から存在していたよう。「タイダイ」と「絞り染め」は意味的には全く同義なわけだけど、一般的に「絞り染め」は日本伝統のもので「タイダイ」はヒッピー文化のものと認識されている。ので日本の「絞り染め」は英語圏では「Shibori」と表現されてるみたい。とにかく布を絞ることで染色に抵抗を与え、様々な柄を生み出すのがShiboriとTie-dyeに共通する特徴だ。
僕がタイダイに興味を持ったのはもちろん手芸ルートや日本伝統ルートではなくヒッピー文化の影響で、特にウッドストックフェスティバルのDVDの影響が強かった。
ヒッピー文化、カウンターカルチャーには東洋の思想や文化が多く取り入れられており、恐らく「絞り染め」もその内の一つだったのだろう。「絞り染め」の技法を使ってヒッピーらしくフラワームーヴメントらしくカラフルに染め上げられたものがTie-Dyeという文化になっていったわけだ。
ヒッピームーヴメントの集大成である69年ウッドストックフェスティバルでは出演者も客も多くの人がタイダイを纏っている。特に目立っていたのがジャニス・ジョップリンとジョン・セバスチャン、そしてジョー・コッカー。タイダイと言えばグレイトフル・デッド及びデッドヘッズのイメージが強いがウッドストックではこの3人のタイダイが目立っていた。
僕は特にジョー・コッカーのタイダイシャツに惹かれて、似たようなものを探して購入し20代前半の頃はライヴでずっっっとそれを着ていた。
(当時よく着てたタイダイシャツ)
Do it yourself!
そんなタイダイを自分で染め出したのは6,7年前にとあるサイケバンドを結成した時で、そのライヴ衣装としてパジャマをカラフルに染めようと思ったのがキッカケだった。シド・バレットが「ベッドで横になっている時は可能性が無限で、起き上がった瞬間にその可能性が消失する。だから僕はずっとベッドで横になっている」的な怠け者哲学を語っていて、僕はそれに感銘を受けて曲を書いてパジャマで演奏しようと決めた。そんな流れだったような気がする。そして自分でそのパジャマを染めるべきだ、とDIY精神が燃え上がったのだろう。
(その時のサイケバンドCommune)
その熱は1年ほど続き、ドンキホーテで安Tシャツを買いまくり、それを染めてライヴハウスで売ったり、そんなことをしていたが気づいたら熱が冷めてて辞めていた。最初はタイダイのランダム性にサイケデリアやフラワーな感覚を覚えていたんだけど、しばらくやってるとパターン化していって…て感じだったような。6年前。
(6年前)
タイダイ熱再び!
それが今年ふとしたことで再燃したわけで。そのキッカケとなったのは昨年末のキング・クリムゾン来日公演。基本的にライヴ観に行っても物販はスルーしてるんだけど、その日は早く着いたので物販に並んでみた。それでツアーTシャツでも買ってみようかと思って、色んなデザインがある中選んだのがこれ。
太陽と戦慄のジャケットデザインの白T。このツアーならではのデザインがされたTシャツがあったのに太陽と戦慄のシンプル白T。そう、Tシャツを選んでる時に「あ、これタイダイ染めしたら良さそう」って急に思い立ってこのシンプルTを買ったわけだ。
しかしこれをいきなり染めて失敗なんてことになったら洒落ならんってことで、練習用にTシャツを購入。以前は無地Tを染めていたが、このクリムゾンTはイラストTシャツなので、どうせならってロックイラストTシャツを30枚!
タイダイな日々
てなわけで勘を取り戻しつつ春先頃から染め始めたわけです。以前から僕が使っていたタイダイの基本的なパターンはスパイラル(渦巻き)、ジャバラ(蛇腹)、マダラ(むら染め)の3種類。豆絞りってのもやったことがあるけど、これはどちらかというとShibori的な技法でヒッピーっぽくはなかったのであまり使わなかった。なのでひとまずサークル、ジャバラ、マダラの3つを思い出しがてらやってみることに。
スパイラル
典型的なタイダイパターンの一つ。サイケデリックな渦巻き模様が実にヒッピー的ですよね。僕はこれをやる時、いつもMoveの1stを思っています。
ジャバラ
ジャバラは使い方次第で無限にパターンを作れるタイダイの基本中の基本。ただ綺麗に折るのが結構大変。
マダラ
1番簡単なタイダイ技法。適当にくしゃくしゃっと丸めて、適当に何種類か染料をぶっかける、以上!これは6年前そこまで多くはやってなかったんだけど、案外奥が深くて今使いまくっている。
この度覚えた新たなタイダイ
今回再び染めるにあたって、色々勉強し直した。すると全く知らなかったタイダイの世界に驚愕!まずTwitterでフォロワーの方から教えてもらったエド・ドナヒューという伝説のタイダイ染め師(デッドヘッズ)。あとYouTubeやInstagramで作品を紹介している現代のタイダイ染め師。それらの作品を見て、どーやってんのか考えて試してみる。それが面白くて面白くて。
そんなこんなでこの度新たに挑戦してみたパターンがいくつかある。
円ジャバラ
これは折り方は一目瞭然だが、折るのが難しくて。しかし太陽と戦慄Tを染めるならこのパターンになるだろう、と挑戦。何度か失敗しつつこのバンクシーTでなんとか形になった。
前後別柄
タイダイってのは勝手に前後同柄になると思い込んでいたが、前後別柄になってる作品を見てびっくり。しかしちょいと考えれば単純なことだった。このツェッペリンTは前がマダラ、後ろがジャバラに。言葉にすると難しいんだけど…まぁ単純なこと!笑
Ice-Dye
何やらアイスダイという技法が今流行ってるようで。基本的に粉末状の染料を水で溶かして容器に入れて布にぶっかけるわけなんだけど、布に粉染料をそのままかけてそこに氷を置いてゆっくり溶かしていく、ってのがアイスダイ。いつ発明されたんだろう…恐らくは現代タイダイの技法かと。とにかくならではの独特なニュアンスが面白くて一発で虜になった。今は氷が溶けるのに時間がかかるので、真夏になったらやりまくろうと思っている。
このカートコバーンTはマダラのアイスダイ。サークルやジャバラにも使えるのでまたやってみようかと!
折り絞り
折り絞りはどちらかというとShiboriの技法だと思うんだけど、これを取り入れまくっているタイダイ染め師がたくさんいて。まぁ折って折って折り込んで幾何学模様を作るってやつ。
これは蓮柄チックなやつで、正直まだこれしか成功してない。なんか曼荼羅的なもっっっっと複雑なわけわからん柄を染めてる人がいるんだけど、マジでどーやってるか意味不明。現代のネット社会ではほとんどのことが調べればわかると思い込んでいたが、ハイレベルなタイダイの技法というのは調べても調べても出てこない。そりゃそうだ、苦労して見出した技をタダでネットに流すかいな。完成作品をヒントに逆算して方法を考える、それしかないのだ。紙に書いて考えてみたり、試して試してやってます…
同じように豆絞りをめちゃくちゃ進化させたバージョンをやってる人がいて、細胞みたいな柄に仕上がってたり。いやー面白い。
太陽と戦慄Tはいつ染めれるのか
そんなこんなで以前の復習やら新たな挑戦やらしていたら練習用に買った30枚染め終わってしまった。そろそろ本番の太陽と戦慄Tを染めたいんだけど、なんかまだまだ成長できる気がしてなかなか手を出せない…前は円ジャバラのアイスダイ、後ろは幾何学折り絞り、とかにしたいんだけどまだまだ鍛錬が必要そう。笑
のでまだしばらくタイダイな日々は続いていきそうです!とにかく楽しいので興味のある方はやってみてください!
では!