CDが売れない問題/サブスク問題/ミュージシャンの収入問題とロック好きを自称する僕
CDが売れなくなったと言われ始めてからもうしばらくの時が過ぎた。もう昔のようにミリオンだとかダブルミリオンだとかそんな数字を聴くこともなく、ミュージシャンが億万長者になれる時代は終わってしまった。僕はそれに嘆くようなことはなく、単に昔が稼ぎすぎただけ、音楽はそもそも商業とは無縁でありもっと身近でもっと自然なもの、なんてふうに思ったり思わなかったり。
というかそもそも僕には嘆く資格がない。というのも僕は新品でCDやレコードをほとんど買っていないからだ。中古でばかり買い集めてきた。つまり僕はロック好きを自称しておきながら、ほとんど音楽業界/音楽商業に貢献していないわけだ。
21世紀に入ったくらいからCDが急速に売れなくなったのはデジタル音楽プレーヤーの登場が大きいとされている。iPodが2001年に登場、その他MP3プレーヤーもその辺にバシバシ登場していった。音源のデジタル化が普及すると買わなくても友達やレンタルショップから借りればプレーヤーにアルバムを入れられるようになり、そしてすぐに違法アップロード/ダウンロードが横行した。2007年にはiPhoneが登場し、携帯電話で音楽が聴ける時代に突入、さらに音源のデジタル化は加速していった。
そんなこんなでCDが売れなくなったわけだが、音楽業界もデジタル社会に対応を見せている。MP3全盛期の00年代はiTunesなんかのデジタル音源販売が流行ったし、10年代半ばからはApple MusicやSpotifyなどの音楽サブスクサービスが開始された。サブスクが出始めたころ、サブスクが音楽業界の利益を減らすと危惧されていたが果たしてそれまで年間12000円分新品でCDを買っていた人がどれほどいただろうか。僕個人だけで考えてみても、今はサブスク解約中であるが、少なくとも計5年(60000円)くらいはサブスクを使ってるだろう。中古CD/レコードばかりで全く音楽業界に貢献してこなかった僕がここ5年で6万円も金を落としているわけで、僕は間違いなくサブスクは音楽業界の危機を救ったと考えている。ちなみに中古レコード屋には、んー…300万くらいは使ってるだろうか、いやいやもっとか。
まぁ今回のテーマは実はそんなことでもなくて。ほとんど新品でCDを買っていない僕が、新品で買ったCDってなんなんだろうか、って棚をひっくり返したわけ。そしたら2006年という年がいかに僕にとって音楽的青春であったかということが明らかになったわけで。懐かしさと音楽に夢中になり始めた高校時代を思い出して熱くなったという話です。
ちなみにレコードもいくらか収集しているが新品で買ったレコードは1枚たりともなさそう…
新品で買った数少ないCD
初めて買ったCD
棚から探し出した新品で買った記憶のあるCDは10枚ほど、あと買った記憶があるけど見当たらないのが10枚くらい。まぁ多くても計30枚。1枚3000円としても9万円。ロックにハマって約20年。申し訳ない。サブスクは5年で6万円。
さて、新品で買ったCD。まずそもそも初めて買ったCDってなんなんだろう。おそらく『めざせポケモンマスター』なんじゃなかろうか。まぁ正しくは親に買ってもらった、だけど。僕の記憶が正しければ、兄が買ってもらったのにさらに僕も買ってもらって、家に2枚あったような。「僕のCDだ!」ってのが何より大事で、だからポケモンが最初だと記憶しているのかも。同世代なら同じだ!って人多いんでなかろうか。それかモーニング娘。(97年デビューみたい)。
新品で初めて買ったリアルタイム洋ロック
まぁその辺は置いといて。僕は2003年、中学時分にギターを手にし、ロックに興味を持ち始めた。前にも書いたが僕の周りでは90年代ヴィジュアル系や商業ハードロック、青春パンクやポップパンクなんかが流行ってたわけだけど、そんな中で新品で買った覚えがあるのがSugarcultの1st『Start Static(2003)』、2nd『Palm Trees and Power Lines(2004)』、American Hi-Fiの2nd『The Art of Losing(2003)』。
どちらもアメリカンポップパンクだ。懐かしすぎて泣けるが、CDが見当たらない!聴きたい!当時1番人気のポップパンクと言えばもちろんGreen Dayだったわけなんだけど、グリーンデイは少し世代が上で中古で買い集めることができた。リアルタイムでリリースされて買ったのはシュガーカルトとアメリカンハイファイ。最初に新品で買った洋ロックCDはこの2バンドで間違いないかと。放送部員にCD渡して昼休みにかけてもらったりした記憶がある。懐か死にできる。グリーンデイでいうと『アメリカン・イディオット』が2004年なわけなんだけど、これは多くの友達が買っていたので借りた記憶。
まぁ中学なので言っても小遣いで買っていて、やはりCD収集が加速したのは高校になってバイトしだしてからで、そこから中古CDを買い集めまくり60's、70'sロックに没頭していくわけなんだけど。そんな高校時代に買った数少ない新品CDを見直すと割とリアルタイムロックにも熱くなっていたことが判明した。
フジロックフェスティバル2006
ざっと新品で買ったと思われるCDをリストアップしてみると、多くが2006年の作品で、そしてそれらのほとんどが2006年のフジロック出演バンドの作品だった。どうやら僕は2006年のフジロックフェスティバルにかなり熱くなっていたようで(まぁ結局この年行けてないし、未だに一回もフジロック参戦できてないんだけども)。恐らく当時はラジオやスペースシャワーTVにアンテナを伸ばしていて、その年のフジロック特集にかなり感化されてたんだと思う。
(フジロック2006出演リスト)
まずはRed Hot Chili Peppers『Stadium Arcadium(2006)』。
レッチリは兄が持ってた『By The Way』や『カリフォルニケイション』や『ブラッドシュガーセックスマジック』なんかを盗み聴いてガッツリハマってたんだけど、この年にようやくリアルタイムで追いついた。フジロックヘッドライナー、〝ダニカリフォルニア〟が主題歌になった映画デスノートもこの年に公開。この『Stadium Arcadium』は発売日に買った。この後ジョンが抜けてからは追ってないなぁ…此度出た新作、聴かねば!!
そしてシザー・シスターズの2nd『TA-DAH ときめきダンシン(2006)』。
これがめちゃんこ懐かしい。約15年ぶりに再生してみたがイントロのダララララ〜ってギターが流れた瞬間死にかけた。シザーシスターズはレッチリの裏でやってたはず、フジロック。スペースシャワーTVで生中継してたのかな?それを見てんだよな多分。シザーシスターズってディスコロックやダンスロックって感じなんだけど、当時はエレクトロにも興味を示してたようでライノセラスのベスト盤(2006)なんかも新品で買った。
今調べたらライノセラスってフランスのバンドなのね。『Cubicle』がiPodのCMで流れてて流行ったよなー
超ビッグバンドなレッチリ、ダンスロックなシザーシスターズ、エレクトロなライノセラスときたが、やはり00年代といえばガレージリヴァイバルで、JETの2nd『Shine On(2006)』
2003年の1stももちろん聴いていたが、リアルタイムはこの2ndだったなー。ジェット、ジェットなーーー
そしてフジロック2006のヘッドライナーを務めたストロークスの3rd『First Impressions of Earth(2006)』
1st『Is This It(2001)』2nd『Room On Fire(2003)』も中古で買って聴いてたがリアルタイムは3rd。めちゃくちゃハードになっててびっくりしたなー。
あとヤーヤーヤーズ2nd『Show Your Bones(2006)』
ヤーヤーヤーズもフジロック特集で知って衝撃を受けたガレージリヴァイバルの1つ。僕らの世代のパティスミスだ!って思ったのを覚えている。この頃は60's70'sを掘りながらも同時にリアルタイムを追っていて、ヤーヤーヤーズをパティスミスだと思ったりストロークスをヴァルベッツの再来だと思ったり、楽しかったなー。
まぁとはいえフジロック2006勢、これくらいか。出演リストを見ると何故フランツフェルディナンドにハマらなかったのか謎だなー。CDは買わなかったようだけど、ラカンターズとかハイヴスとかも懐かしいなー。
フジロック勢以外
フジロック勢以外だと、まぁまずオアシスは『Don't Believe the Truth(2005)』、『Stop the Clocks(2006)』がリアルタイム。
オアシスはもうほんとに初めて認識した洋楽と言っていいのかも。それこそロックにハマる前。中学に入りたての頃別の小学校の洒落たやつが洋楽という文化を持ち込んできて、それはバックストリートボーイズとブルーとオアシスだった。その友達が英米を代表するボーカルアイドルグループと一緒くたにして持ち込んできたもんだからロックバンドとして認識したのはもう少し後で、気づけば1stや『モーニンググローリー』にハマって、ほんで高校になってようやくリアルタイムで追いついた感じかな?〝ライラ〟がCMでよく流れてた。 ベスト盤の『ストップザクロックス』はほんとによく聴いた。けど『ディグアウトユアソウル(2008)』の頃にはもう離れてた(後に中古で購入)、って感じ。
レディオヘッドは『In Rainbows(2007)』、トムヨーク『The Eraser(2006)』がリアルタイムで新品で買った。
『OKコンピューター』で爆ハマりし中古でオリジナルアルバムを買い集め、『In Rainbow』がリアルタイム新譜。トムヨーク1stも買ったなぁ。
あとはー、White Stripesの『Get Behind Me Satan(2005)』『Icky Thump(2007)』!
ホワイトストライプスは『Elephant(2003)』の時にラジオで〝Seven Nation Army〟がこれでもかってくらい流れててTSUTAYAに走った。で『Get Behind Me Satan(2005)』を新譜で買って『Icky Thump』も追った。一時期は1番好きなバンドだったんじゃないかな?ブルースが、とかジミーペイジが、とかジミヘンが、とかガキんちょがえらそう言ってたんだ。
同時期にガレージリヴァイバルと共に盛り上がってたエレクトロロック系も軽くハマってたなー。キラーズ2nd『Sam's Town(2006)』とかカサビアン2nd『Empire(2006)』とかは新譜で買ったはず(みつからない)。
そうそう、この頃のCDってDVD付きが多かったよなー、思えばデジタル化に対する抵抗手段だったんだろーなー。
あとマーズ・ヴォルタの3rd『Amputechture』(2006)。
2006年当時プログレにハマりたてで、5大プログレのアルバムを中古レコード屋で買い漁ってたんだけど、現代にもすげえプログレバンドがいるって衝撃だったなぁ。こっから遡ってアットザドライヴインも聴いたり。CDの中開けてみたらこんなのが挟まってた。
アマチュアバンドはライブハウスでライブする時好きなCDをPAに渡してSE(入場曲)をかけてもらったりするんだけど、その時のメモのようなもの。2010年くらいだと思うんだけど、すげえバンド名のバンドやってるなー若きおれ。笑 ちなみにこのアルバムの2曲目は〝テトラグラマトン〟って名曲。
あとジャック・ジョンソンね。名盤『In Between Dreams(2005)』と映画版「おさるのジョージ」のサントラ『Sing-A-Longs and Lullabies for the Film Curious George(2006)』は新譜で買った。
ジャックジョンソンも当時ラジオでかかりまくってて、それでハマったような。ベン・ハーパーやGラヴとか、その辺も聴いたり。
忘れてはならないのがエミリー・シモンによる映画『皇帝ペンギン』のサントラ(2005)。
これは普通に映画見に行って、音楽に衝撃を受けて買った。ちょうどビョークとかを聴いていたころだったので〈フランスのビョーク〉ことエミリー・シモンに魅せられたのよね。とはいってもこれ一枚で、彼女を追うことはなかったんだけど。今思えば当時はエレクトロに全く抵抗なかったんだなー。これとトムヨーク1st、あとビョークの『ヴォルタ(2007)』とか、気に入って聴いてたような。
我が音楽的青春は2006年!
新譜で買ったCDをリストアップしてみるとほとんどが2006年で、その前後2005年,2007年がチラホラって感じだった。2008年はR.E.M『Accelerate』1枚だけで、あとは2011年のビーチボーイズ『The Smile Sessions』、2013年デヴィッドボウイ『The Next Day』くらい。
2008年からは全くリアルタイムミュージックを追ってないに等しいんだよな。一体何があったんだろうか…この辺でブリティッシュフォークとかソフトロックとかに出会ったんだろうか…とにかく新譜を追う暇もなく過去の名作を探索する日々を突入したんだろう。そんな日々が10年も続くうちに僕は「リアルタイムの音楽を全く聴かず、古いロックを探求する男」になっていた。だから「00年代もほとんど知らんねんなー」と言ったりしていた。しかしこの度新譜で買ったCDをリストアップしてみると2005〜2007年はしっかりリアルタイムで経験してるじゃないの!特に2006年。青春だ。楽しかったろうなぁ。フジロックだってそれ以降はそこまで気にしてないんだよな。
以上!新譜で買ったCDをリストアップしてみたら僕のリアルタイム体験の正確な年が判明しました、というどうでもいい報告と雑記でした!
知らぬ間にかなり久しぶりの更新になってしまった!
では!