ケンジロニウスの再生

関連図を元にロックサーフィンを繰り広げたい所存。

2-2 ジュークボックスのUFOから降りてきた男たちELO

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さぁ第2章はThe Foolがジャケットを手がけた3枚の内、すでに紹介したホリーズを除く2枚から広げていこうということで、フールがジャケットを手がけたThe Moveの改名後のバンドElectric Light Orchestra(ELO)を見て行こう。

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2-2 ジュークボックスのUFOから降りてきた男たちELO

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ムーブの終わりとELOの始まりは2つの名前を使い分けていたためごちゃごちゃしている。

ムーブの名が完全に消えたのが72年ごろ、ELOの名前を使い出したのが70年ごろ、といったところだろうか。

終盤ムーブのロイウッド、ベブベヴァン、ジェフリンにブラスとバイオリンを1人ずつ加えた5人でELOの1stアルバムはレコーディングされた。この最初期はマルチプレイヤーであるロイウッドがチェロ、オーボエクラリネットなどを演奏している。

 

71年12月に1stアルバム「Electric Light Orchestra」をリリース。

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初期のELOのイメージはその名の通り電球(Electric Light)であり、彼らの代名詞とも言えるジュークボックスUFOの登場はもう少し後である。

この電球のジャケットはイギリスのデザイン・アートグループ「ヒプノシス」によるものである。このヒプノシスというチームはピンクフロイドやレッドツェッペリンをはじめ、70年代から80年代にかけてここじゃ書ききれないほどの名盤のジャケットを手がけているすごい奴らで、「The Foolがジャケットを手がけた3枚から広げていこう」ってゆー第2章なんだけど「ヒプノシスがジャケットを手がけたアルバム」で繋げるのは広がりすぎるので禁じ手としようと思う。ヒプノシスに興味がある方は調べてみてください。素人目に見ても芸術的なジャケットをたくさん作っていて、レコード・ジャケットを芸術作品としての表現の域にまで高めた先駆者として知られている。図で繋げはしないけど、またヒプノシス作品が出てくるたびにヒプノシス!って言います。

 

さぁELOだが1stアルバムはThe Moveのラストアルバムと同時にレコーディングが行われたこともあり、まだムーブサウンドが根強く残っているといった感じだ。

1stリリースの直後にロイウッドが脱退し、ここからジェフリンのELOが始まる。ムーブはロイウッドのバンドだったがELOは完全にジェフリンのバンドなのだ。

 

脱退したロイウッドは「Wizzard」を結成。7,8人の大所帯でまるでサーカスのような奇抜な姿やポップ性の高さからグラムロックに位置付けられるバンドであり、クリスマスの定番ソングにもなった「I Wish It Could Be Christmas Everyday(毎日がクリスマスなら)」が大ヒットしている。活動期間は3年ほどと短く、75年に解散した。

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(変態たち)

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ロイウッド脱退以降のELOは作詞作曲プロデュースのほぼ全てをジェフリンが行うこととなる。ジェフリンのプロデューサーとしての活躍もまた後で。

ジェフリン主導のELOは7,8分と長めの曲で構成された73年2nd「ELO2」から始まる。この頃からしばらくメンバーの多少の流動はあるが、ボーカルギターがジェフリン、ドラムがベブベヴァンに、ピアノ、ベース、バイオリンにチェロが2人という7人編成が固まる。

70年前半というのはプログレ全盛期であり、初期ELOもプログレッシブロックバンドと位置づけられるだろう。このアルバムでは初期ELOのライブ定番曲でもあるチャックベリーの「ロールオーバーベートーベン」のカバーが収録されており、ベートーヴェン交響曲第5番ハ短調作品67をそのままイントロとして流用したり、間奏ではストリングスの多重録音を多様したりストリングスとロックの融合、初期ELOの目指していたものをはっきり目撃することができる。ジャケットは宇宙を浮遊する電球。すでに宇宙というテーマも垣間見える。

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(こちらもヒプノシス)

 

同年全盛期のT-REXのマークボランが数曲ギターで参加した3rd「On the Third Day」をリリース。

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74年には初期ELOの完成作品といえるコンセプトアルバム4th「Eldorado」をリリース。

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(これもヒプノシス)

 

このアルバムからストリングスアレンジに指揮者のルイス・クラークを迎え、本格的にオーケストラが導入される。そのためこの後だんだんとELOのストリングスメンバーの貢献度が落ちていってしまうわけだが、このアルバムではバランスが程よくとれておりロックとストリングスの融合が完成する。

夢の国エルドラドを舞台としたコンセプトアルバムだが、全米でトップ10入りした「Can't Get It Out Of My Head」や正にアクロスザユニバースな「Mister Kingdom」など後期ビートルズを彷彿とさせる曲がちらほら。後期ビートルズにはプログレッシブと呼べる素質が山ほどあり、74年のビートルズはこんな感じになってたかもしれないなぁと思わせてくれる1枚。僕がELOで初めに手にしたアルバムでありお気に入りのアルバム。

 

「Can't Get It Out Of My Head」の全米トップ10入りを皮切りに、ここからELOは売れに売れまくって70年代で最もヒット曲を飛ばした(全米40位以内)バンドとしてギネス認定されるわけだ。その絶頂期といえる70年代後半の中期ELOはストリングスメンバーを抑えてオーケストラを前面に押し出していくと同時にメロディメーカーとしてのジェフリンの能力も頂点に達し、中期ELOの代名詞とも言えるパワーバラード系の曲が増え始める。

そんな1番売れて1番有名な時期のELOだが、僕はそんなに好みの音楽ではない。ので軽くさらっておこう。

 

中期ELOとは75年「Face the Music」76年「A New World Record」77年「Out of the Blue」79年「Discovery」の辺りである。

76年の6th「A New World Record(オーロラの救世主)」ではバラード「テレフォンライン」などがヒット。このアルバムで初めて彼らのアイコンだった「電球」が消え、ジュークボックスUFOが姿を現わす。

77年7th「Out of the Blue」からは日本でもCMソングなどでおそらく誰しも聞いたことのある「Mr.Blue Sky」がヒット。この曲はほんとに何度聞いてもすごいと思う、メロディから構成からアレンジまで非の打ち所がない名曲。

このアルバムの有名なUFOジャケットは日本人イラストレイター「長岡 秀星」によるもの。彼は「アース、ウインド&ファイヤー」などで多くのジャケットを手がけ宇宙やSFをイメージした作風で国際的に活躍した日本の誇りだ。

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(Out of the Blue)

 

79年8th「Discovery」ではストリングスメンバーを完全に解雇し、ストリングスは全て本物のオーケストラとなった。さらにシンセサイザーの割合が増え始め、この後ELOはシンセ期に入る。そんな感じの時期のディスカバリーだがELO史上世界的に1番売れたアルバムがこれだ。

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(ディスカバリー)

 

80年代に入るとストリングスロックバンドELOは代名詞のストリングスを捨て去りシンセサイザーを武器にし出す。まぁエレクトリックライトオーケストラってバンド名はシンセがしっくりくるっちゃくるか。

81年9th「Time」収録の「Twilight」は日本でも「電車男」のテーマソングに使われたことで有名。正直シンセポップ期の後期ELOなんて、けっ!って思うんだけどトワイライトなんかを聴いてるとジェフリンのメロディセンスに脱帽。ポールマッカートニーと張るメロディメーカーだと思っている。

 

その後数枚のアルバムをリリースし、ELO part2、The Orchestra、Jeff Lynne's ELOと名前を変えて最新で2015年までアルバムをリリースしているがその辺は聞けてませんごめんなさい。

 

とまぁ爆発的ヒットを飛ばした70年代ELOを見てみましたが、ここから本題、繋がりのコーナー。

 

the Idle Race

ジェフリンがMove加入前に活動していたバンドが「The Idle Race」というバンドで、66年にレコードデビューし、ジェフリンはこのバンドですでにセルフプロデュースをし、プロデューサーとしてもデビューしている。アイドルレースではジェフリンのサイケポップが聴けるので気になる方は是非。Apple Musicにもあります。

 

アイドルレースの前身バンドが「The Nightriders」というバンドで、そこにロイウッドが在籍していた。バンドの中核であったロイウッドが脱退しムーブを結成→その代わりにジェフリンが加入しバンド名をアイドルレースに→ジェフリンがアイドルレースを脱退しムーブへ加入。

といった流れになる。なんとも。

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ジェフリンとビートルズ

ジェフリンは大のビートルズファンであり、「ジェフ・リンの自宅のレコード棚にはビートルズバルトークのレコードしかない」と英国の音楽誌に書かれたことがあるくらいだ。彼のビートルズ愛はELOの楽曲からも見て取れる。

そんなジェフリンだが、90年代付近にはポール、ジョージ、リンゴのソロ作品をプロデュースしたり、ジョンの未発表曲にポール、ジョージ、リンゴが手を加えビートルズの新曲として発表した「Free As A Bird(1995年発表)」と「Real Love(1996年発表)」の2曲をプロデュースしたり、まさに夢を叶えた男である。

他にもロイ・オービソントム・ペティ、ブライアンウィルソンなどの作品もプロデュースしている。

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(ビートルズだけ図に何個も出現させることを今決めました。出てきすぎて繋げきれないので。ジョーカーカードってやつです)

 

Traveling Wilburys

ジョージハリソンを中心に88年に結成された覆面バンド。これにジェフリンが参加している。メンバーはジョージ、ボブディラン、ロイオービソン、トムペティ、そしてジェフリンである。すんごいメンツ。それぞれの所属レーベルの問題から覆面バンドとして活動していたがバレバレ。2枚のアルバムを残している。

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ベブベヴァンとデニーレイン

Move,ELOのドラマーであるベブベヴァンのプロキャリアのスタートは「Denny&the Diplomats」というバンドで、このバンドは後にムーディーブルースを結成するデニーレインのバンドだった。デニーレインはムーディーブルース脱退後、「Electric string band」という後のELOと同じ方向性のバンドを組みジミヘンやプロコルハルムと同じステージに立つが今ひとつ伸び悩み解散、その後クリームのジンジャーベイカーのバンド「Ginger Baker's Air Force」でプレイした後71年にポールマッカートニーと「Wings」を結成。繋がるぜー!

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こんなもんかな、多分まだまだあるんだろうこど。ムーディーブルースが出てきたら英プログレ界隈に進めます!ベブベヴァンとデニーレイン、友達でありがとう!2章、順調に進めそうでげす!

 

全体図はここまで!

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次回はジョーボイドから英フォークか!