ケンジロニウスの再生

ロック史を追いながら関連図を作成(関連図挫折中)

ハーディ・ガーディ製作記①〜オモチャのハーディガーディ〜

ちょいと「ロック史を振り返りながら図を作成する」という目的からは逸れますが、一つ外伝を。

 

実はつい先日ハーディガーディという古楽器木製3Dパズルを購入しまして、その製作過程でも書いてみようかという次第でございます。決してロック史ネタが尽きたわけではございません。

 

買ったのは〈UGEARS〉という様々な木製3Dパズルを販売してるらしい会社の商品。

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あくまでオモチャであるが、ちゃんと可動するのが特徴みたいで他の商品も機関車とか時計みたいなのとか、カラクリが複雑で組み立てるのが面白そうなのが多くて。

で、ハーディガーディという楽器は別名機械仕掛けのバイオリン〟と呼ばれる楽器で、そんな構造の特徴からこのUGEARSのラインナップに加えられたのだろうか、まぁとにかく発見した時は驚いた。

 

楽器について

僕は全く楽器コレクターではないが、それでもリサイクルショップに立てかけられてたディジュリドゥを衝動的に買ったりしてしまうほどには興味があって。やはり高価なものは中々手が出ないので、オモチャの木琴鉄琴カリンバカズーベトナム口琴、よくわからん太鼓のような小物ばかりが家に転がっている。あとはオカリナトロンボーン(母の沖縄土産)とウクレレ(父のハワイ土産)くらいだろうか。壊れたエレキバイオリンもあるな。あ、エレキギターエレキベース、アコギに12弦アコギ、ミニシンセ、ハーモニカあたりももちろん。

 

やはりロックファンとして長年欲しがってるのはシタール筆頭インド楽器。中国の二胡も気になっている。バグパイプも。民族楽器は気になる。

管楽器類にも興味がある。

チェロも欲しいな。

電子楽器も。テルミンスタイロフォンコードオルガンメロトロン

そして古楽器チェンバロハープシコードリュートハーディガーディ

 

しかし堅実に金を貯めて集めるほどの熱意はない。まぁその程度の思いっちゃ思いである。

ハーディガーディについて調べてみたら、民族楽器サイトで中古で20万のものを発見したり、本格的そうな組立キットが10万で販売されていたりしたが、恐らく古楽器にしては『安すぎる』値。しかし僕にとっては『高すぎる』値。僕にとって『高すぎる金』で『安すぎるハーディガーディ』を買ってガッカリするという最悪の未来しか見えない。

そんな僕に舞い降りたのが一応音が鳴るオモチャのハーディガーディの3Dパズル(1万円弱)であった。

 

発見してから数年ほど気になっていたが、買うことを決心したのはこのコロナ自粛中で、そしたら同じような人はいるもんでAmazon在庫切れ(ずっとあったのに)。で、先週見たら在庫が3個あったのでポチっとして届いたのが3日前、といった感じだ。

 

ハーディガーディ

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やはり特徴はハンドルを回すことで回転する松脂を塗ったホイールが弦を擦り音が鳴る仕組みだろう。これが〝機械仕掛けのバイオリン〟と呼ばれる由縁だ。もうこれだけでワクワクする人もいるはず。

一般的に6弦のものが多いようだが、4弦のドローン弦を持っているのも大きな特徴だろう。同じくドローン音を持つバグパイプと並んで17〜18世期、ルネサンスに愛された楽器である。

 

ドローン音を持った楽器と言えばシタールタンプーラダルシマーなんかもあるが、そういった民族楽器からヒントを得てラ・モンテ・ヤングら現代音楽家が1960年代にドローンミュージックを作り出し、ジョン・ケイルはそれをロックに持ち込んだ。

シタールらインド楽器はジョージ・ハリソンやバーズによってロックに持ち込まれ、主にサイケデリックロックで大活躍した楽器である。

そんなわけでドローン音を持った楽器とロックというのはわりと結び付きはあるんだけど、ハーディガーディを用いたロックミュージックというのはあまり聴いたことがない。ハーディガーディとロックの接点はというとやはりHurdy Gurdy Man〟になるだろう。

 

Hurdy Gurdy Man〟

Hurdy Gurdy Man [12 inch Analog]

Hurdy Gurdy Man [12 inch Analog]

  • アーティスト:Donovan
  • Sundazed
Amazon

ドノヴァンの名サイケソングHurdy Gurdy Man〟及び68年6th「The Hurdy Gurdy Man」。何を隠そう僕はこの曲名、アルバム名でハーディガーディという楽器の存在を知った。

66年「Sunshine Superman」から覚醒したドノヴァンのサイケ道の終着点。ツェッペリン結成前のジョンジーにペイジ、さらにはボンゾまで参加したと言われる曲(確実なのはジョンジーのみ)である。

ドノヴァンが弾いてるのはハーディガーディではなくタンプーラで、ビートルズらとのインド訪問の産物でもある曲だ。

「ジミヘンに歌ってもらうつもりだった」なんて話もあるが、元々はドノヴァンの友人のHurdy Gurdyというバンドのために書いた曲であったようで、そこからの曲名ということか。

なんにせよロックファンの中には僕と同じようにこの曲をきっかけにハーディガーディを知った人も多いはず!

 

パズル

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さぁUGEARSのハーディガーディは接着剤不要の木製パズル約300ピース。一応楽器として音を鳴らせる設計であるが、本当に音を鳴らせる仕上がりにするにはかなり精密な作業になりそう。

作った人のレビューを見るとだいたい8時間とか10時間とかで組み上がるようだが僕は細かい手作業が苦手で(とにかく手が震える)、さらに幼い頃から〝壊し屋〟という称号を親から受け賜るほどに物を壊す。さらに加えて作業場なるだろう部屋がエアコン無しという環境もあるので、ゆっくりゆっくり長い時間をかけて十分に楽しみながら組み上げていくつもりです。

 

製作過程を定点カメラで撮影してやろうか(よく見かけるやつ)とか出来上がったらそれを軸にしたドローンミュージックやらトイミュージックやらを作ってみようかとか、くだらないことを考えるくらいにはワクワクしているので、このブログでもロック図作成と並行して逐一状況報告していこうかと考えてる次第です。

 

そういうわけで、作り始めます!

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